奥尻島津波館は奥尻最南端の青苗岬(徳洋記念緑地公園)にある災害記録の展示施設。1993年7月12日に発生した北海道南西沖地震で壊滅的な被害を受けた青苗地区の旧5区(現在は非居住地域)に整備され、震災から8年後の2001年にオープンした。
館内では地震とその直後に発生した奥尻島の大津波、青苗地区で津波の後に発生した火災の記録を中心に展示。館内は7つのテーマに沿った展示スペースが設けられており、地震発生から復興までの様子を今に伝えている。このような地震・津波・復興をテーマとした展示施設は国内でもあまり例がなく、東日本大震災の発生以後は入館者が増加傾向にあるという。
館内1階では津波館でしか見ることのできない、奥尻島における被災状況と復興の写真パネル、奥尻島の歴史を48箇所の立体模型で再現したコーナー、青苗遺跡で発見された北日本唯一の丁字頭勾玉を展示。地下1階では震災ドキュメンタリーを約10分間にまとめた映像ホール、奥尻島の遺跡から発掘された考古資料の展示コーナーがある。 |
Jikusho Cenotaph, produced by Masayuki Nagare |
奥尻島津波館の向かいには世界的彫刻家の流政之氏が手がけた北海道南西沖地震慰霊碑「時空翔」がある。地震と津波の記憶を忘れないために、時空翔の土台には奥尻港観音山大崩落時(※)の土砂が用いられており、その高さは北海道南西沖地震で青苗地区に押し寄せた津波と同じ高さに盛り土されている。震災のあった7月12日には津波が押し寄せてきた方角に向かった石のくぼみに夕陽が収まるが、7月12日当日は雨の日が多く、地元ではこれを「涙雨」と呼んでいるという。 |
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※奥尻港の正面に位置する観音山は北海道南西沖地震によって大崩落が発生し、崖の直下に位置していた「ホテル洋々荘」が土砂に埋もれて完全に倒壊した。その後さらに津波が押し寄せ、観光客や従業員など、30名近い人命が犠牲になったという。 |
Cape Aonae Lighthouse |
時空翔から眺める青苗岬灯台。北海道南西沖地震では時空翔と同じ高さにまで津波が押し寄せ、地震の揺れで灯台が斜めに倒壊した。また、青苗岬先端部には1931年(昭和6年)に建立され、北海道南西沖地震の津波でも倒壊しなかった徳洋記念碑(高さ16.7m)が建つ。 |
Aonae District |
時空翔から眺める青苗地区と奥尻島の山並み。 |
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Address
Cape Aonae, Okushiri Town, Hokkaido, Japan
北海道奥尻郡奥尻町青苗36 (青苗岬) |
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Get in
From Okushiri Port by bus: Get on Okushiri Town Bus for Aonae direction
(青苗) or Kamuiwaki direction (神威脇), get off the bus at Aonae Kinenhi (青苗記念碑),
5 minutes on foot
奥尻港から奥尻町有バス「青苗」・「神威脇」方面行きに乗車、「青苗記念碑」下車、徒歩5分 |
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Hours
9:00 - 17:15, Mid Apr to Late Nov (Closed Dec - Early Apr)
4月中旬から11月末までの9:00〜17:15 (12月〜4月上旬は冬季休館) |
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Closed
None Scheduled
開館期間中は無休 |
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Price
Adult 500 yen / HS, JS & ES 170 yen / Infant free
大人500円、高校生・中学生・小学生170円、幼児は無料 |
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