Former JNR Niupu Station (1964 - 1985) |
トロッコ王国美深は美深駅と仁宇布(にうぷ)駅を結んでいた旧国鉄美幸線の線路約5kmを活用したトロッコ運転体験施設。旧美幸線は当初、美深と北見枝幸間を結ぶ予定で、 1964年10月5日に仁宇布までが開通。酪農と森林地帯を走りぬけた仁宇布から先は木材や地下資源の豊富な地帯で、その開発が待たれていた。しかしその後、国鉄の廃止対象路線に指定され、第三セクター化も検討されたが、実現されること無く1985年9月16日、全線が廃止となった。 |
Former Biko Line (torokko kingdom), view from torokko train |
その後、残された線路を活用してトロッコ運転体験が出来るように整備され、現在は全国各地から運転体験を楽しむ人々が訪れている。始発駅は旧仁宇布駅で、 高広の滝までの約5キロ、往復10キロをトロッコで運転することができる。 |
Forest bathing |
森林の中を駆け抜けていく爽快感は心地よく、女性にも人気があるようだ。運転体験は自動車などの運転免許を持っている人が可能で、持っていない場合はスタッフによる運転も受け付けている。旧仁宇布駅構内は散策が可能で、線路が北見枝幸を目指した往時の面影を垣間見ることができる。 |
Takahiro Falls, the halway point of torokko train |
トロッコの折り返し地点となる高広の滝。 |
End point of Former Biko Line, Former JNR Niupu Station |
旧美幸線仁宇布駅構内の線路終端。まだまだ新しい路盤跡は北見枝幸方面へしばらく続いている。 |
History of Former JNR Biko Line
旧国鉄美幸線と仁宇布地区の歴史 |
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1. 仁宇布地区の開発
仁宇布(にうぷ)の地名の由来はアイヌ語の「ペンケニウプ」(小川の上流の森)から出たもの。明治42年に数個が入植。明治45年に仁宇布駅逓所が設置され、雄武町幌内に通じる道の中継的な役割を果たした。その後、木材や砂金などを求めて、福島県相馬地方の人が多く入植したという。
昭和10年、森林資源と開拓地の開発を図る目的で、仁宇布殖民軌道が開通した。4万本もの枕木は造材から製材、搬出まで地域住民の手によって供給され、軌道敷地の一部は地元住民から全額無償で寄付された。昭和37年まで運行されていたが、美幸線の建設に伴い、廃止された。 |
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2. 美幸線の開通と廃止
昭和39年10月5日、旧国鉄美幸線が美深から仁宇布まで部分開通した。美幸線は美深からオホーツク沿岸の北見枝幸に通じる計画で建設され、全長78.1キロの路線となる予定だった。日本国有鉄道北海道総局発行の「北海道 駅名の起源」によれば、美幸線のあらましを、「これから先は木材や地下資源の豊富な地帯で、その開発が待たれている」と締めくくっている。しかし、開通からわずか2年後の昭和41年には、既に全国第3位の赤字路線となっていた。 |
仁宇布から先の延長工事はその後も進み、昭和55年までに北見枝幸までの路盤工事はほぼ終了し、12箇所のトンネルと41箇所の橋梁が完成していた。既にレールを敷くだけとなったが、昭和56年に第1次特定地方交通線として廃止対象に指定された。その後、第三セクター鉄道に転換する案が出され、計画が具体化したが、収支の計算に無理があり、実現には至らなかった。 |
1985年(昭和60)年9月、美幸線は開通から僅か21年で全線が廃止となった。昭和59年度の営業係数(100円を稼ぐためにかかる経費)は4731円、輸送密度は24人だった。旧国鉄美幸線の廃止後、代替バスが運行を開始した。1日4往復運行されているものの、2006年度から日曜全便運休となった。それでも美深高校に通う学生が僅かに利用している。 |
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3. 現在の仁宇布
旧美幸線の線路のうち、線路撤去に対する強い反対運動があった仁宇布地区では、旧仁宇布駅から約5キロの線路が残された。1998年7月、この路盤を修復
してトロッコ運転が出来るよう整備された「トロッコ王国美深」が開国した。現在は半年の間に美深町の人口の倍の人が訪れている。また、仁宇布小中学校では山村留学が行われている。 |
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Address
Niupu, Bifuka Town, Hokkaido, Japan
北海道中川郡美深町仁宇布 (にうぷ) |
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Get in
From Bifuka Station by bus (reservation required): Get on Meishi Bus for Niupu Machiaijo (仁宇布待合所), get off the bus at the last stop, 3 minutes on foot
*Meishi Bus phone number: 01654-2-4151
美深駅から名士バス「仁宇布待合所」行き(※電話予約制)に乗車、終点下車、徒歩3分
*名士バスの予約電話番号: 01654-2-4151
Meishi Bus Official Website
名士バス公式ウェブサイト |
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Hours
9:00 - 16:00, to 17:00 Mid July - Mid August
4月末から10月下旬までの9:00〜16:00 (7月20日から8月20日までは17:00) |
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Closed
Nov to Late Apr
開園期間中は無休 ※11月〜4月末は冬季休園 |
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Price
Adult (single torokko, 2 or more people) 1200 yen / Adult (single torokko,
per person) 1500 yen / Child 600 yen / Infant free / Coupon ticket (6 times
or 6 people) 6000 yen
大人(中学生以上で1台2人以上)1,200円、大人(中学生以上で1人1台)1,500円、小学生600円、幼児は無料、6枚つづり回数券は6,000円 |
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Website
Torokko Kingdom Bifuka
トロッコ王国美深 |
Niupu Machiaijo Bus Stop, Offers free rental bicycles |
鉄道建設公団時代の建物を活用した名士バス「仁宇布待合所」停留所。無料でレンタサイクル(自転車)の貸し出しも行っている。 |
Free Rental bicycle & former Niupu communication station |
路線バスの待ち時間があれば、名士バス「仁宇布待合所」で無料レンタサイクルを借りて、仁宇布の町を散策してみよう。山村留学で知られる仁宇布小中学校、旧仁宇布駅逓跡、村上春樹氏の小説「羊をめぐる冒険」ロケ地になったとされる綿羊牧場などを気軽にめぐることができる。体力に自信があれば自転車で約30分の場所にある日本最北の高層湿原「松山湿原」にも足を運んでみたい。 |
Niupu District near Torokko Kingdom |
かつて美幸線の終点だった仁宇布市街。 |
Shop & Restaurant "Koivu" near Torokko Kingdom |
トロッコ王国美深入口の旧仁宇布駅前にある商店兼食堂「コイヴ」。開拓時代の面影を残すレトロな雰囲気の店で、カレーライスとサラダのセットメニューを提供している。ここでバスの待ち時間を過ごすことも可能だ。 |
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