サハリンを旅する理由 |
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サハリンを旅する人の多くは、それぞれが独自の価値観やこだわりを持っていると聞く。それは少なくとも南の島やアジア、欧米諸国の観光地を好んで旅する人とはかなり異なる価値観やこだわりである。個々の生い立ちやバックグラウンドも大きく関わってくるが、「サハリンへ行く」と言うと、一般的にサハリンを訪れた経験が無い多くの人から「何故」あるいは「どうして」といった反応が示されるらしい。しかし、彼らはきっとサハリンの姿について多くのことを知らない。どこか漠然としたイメージを持っているのであろう。 |
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北海道稚内からサハリン州コルサコフまでわずか159km。新千歳空港からユジノサハリンスクまでたった1時間20分のフライト。日本や諸外国からサハリンへの入口は常に開かれており、そこには確かにヨーロッパの文化風習を持つ異国情緒の世界がある。また、地理的そして歴史的に、日本・韓国・中国をはじめとしたアジア諸国とのつながりが深く、ニブヒ・ウイルタ・ナナイ・エヴィンキに代表される北方少数民族の伝統文化に触れることもできよう。人口50万人弱のサハリンが、実に118もの多民族から構成されている「移民の島」であることも興味深い事実だ。 |
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現在は豊富な石油・天然ガスを背景とした「サハリンプロジェクト」によって、サハリンは極めて好調な経済発展が続いている。特にここ近年は生活基盤やインフラ整備が急速に進んでおり、州都ユジノサハリンスクは「ロシア極東で最も景気の良い都市」と言われるほどの成長を遂げている。 |
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日本やアジア諸国と全く異なるサハリンの文化風習や日常生活に触れ、ロシア語を使って現地の人とコミュニケーションを図っていけば、実際に訪れるまで霞んでいたサハリンのイメージが明瞭になっていくことを、はっきりと実感できることであろう。多面的な視点で異文化や物事を捉えていけば、共感できる部分もきっと多く見つかるに違いない。百聞は一見に如かず。まずは周囲の意見に左右されず、自分の意思で実際にサハリンを訪れ、日々刻々と変化していくその姿を実感してみてはいかがだろう。 |