様似山道は様似町幌満地区と冬島地区を結ぶフットパス。太平洋岸の日高耶馬溪と呼ばれる断崖絶壁の海岸線を越えるために江戸幕府が開削した山道で、古くは探検家の松浦武四郎も歩いたという。全長は約7kmで、全区間の歩行所要時間は約4時間。険しい沢登りや沢越えが続くアップダウンの激しいコースで、軽登山に準じた服装と準備が必要である。
様似側の冬島地区、えりも側の幌満地区にそれぞれ山道の起点・終点があるが、様似町観光協会ではえりも側の幌満地区から歩くことをおすすめしている。雨で幌満川が増水している日や積雪期の散策は避けたほうがよいだろう。
※山道を歩く場合は熊よけの鈴を持っていくことを強くおすすめする。深い沢と森で日中も見通しが悪い山中を歩いていると、熊がいつ出てきても不思議ではないように思われるはずだ。 |
1: Horoman Bus Stop to Horoman Bridge |
えりも側の様似町幌満地区から歩く場合、まず最初に「幌満」バス停留所から幌満川に架かる橋を渡る。幌満トンネルの入口手前の左側に階段があるので、ここを下って国道の橋の下をくぐり、更に幌満川の河川敷へと続く階段を下りる。川の増水時には河川敷のわずかな歩行路が水面下に沈んでしまうことがあるようだ。 |
2: Former Route 336, view from Horoman Bridge |
「日高耶馬溪」と呼ばれる断崖絶壁の海岸線を越えるためにつくられた幌満川河口の旧国道跡地。石積みの護岸や素掘りのトンネル、極端な急カーブ、橋台などが現存しており、交通の難所だった当時の雰囲気が十分に伝わってくる。 |
3: Horoman Tunnel to Horoman Riverside |
幌満トンネル入口手前の左側に河川敷へ下る階段があるので、ここを降りて橋の下をくぐり、更に階段を下りる。 |
5: Starting point of Samani Mountain Path (6995m) |
河川敷の道が終わると入山届の記入ボックスと様似山道入口(全長6,995m)の看板が立っている。ここで入山届けを必ず記入しよう。夏場の観光シーズンでも1ヶ月以上、誰も歩かないこともあるようだ。 |
7: Cross the river |
途中には急勾配のアップダウンや沢をロープで伝い歩く箇所がいくつもある。 |
9: Former Harada Travel Inn (1873 - 1885) |
山道の中間地点にある原田宿跡(1873年〜1885年)は視界がやや開ける休憩ポイント。北海道開拓時代に設けられた宿泊所の跡地で、当時の建屋の土台に使われた石が今も残っている。原田宿跡手前付近の道はやや分かりにくいので、道に迷わないよう、赤い布の目印を頼りに歩こう。 |
11. Cross the gorge |
その先にはもう2箇所の険しい沢越えがある。この沢は直進して山の斜面をまっすぐ登る。 |
13. Kotoni Shokyusokusho |
様似山道の2km地点を過ぎると太平洋が見え、コトニ小休息所(現在は昆布干し場)に到達する。この付近は夏場になると深い草に覆われて道が消えかかっている場合があるので、適当に昆布干し場に出る道を見つけよう。 |
15: Pacific Ocean & Route 336 |
昆布干し場から様似山道の続きを歩き始めると、最初はかつての林道跡が続くが、途中から左側へ折れる山道があるので、そちらに入る。程なくすると太平洋と海岸線の断崖絶壁を見渡す絶景スポットに到着。見晴らしもよく、比較的平坦な草むらが広がっている箇所もあるので、このあたりで小休止するとよい。 |
17: Last interval to Fuyushima |
小川から離れるとやや道が曖昧になり、太平洋を眺めながら草むらをかき分けるような箇所もあるが、赤い布と古い漁師小屋を目印にして歩こう。 |
19: Fuyushima Bus Stop near Fuyushima Fishing Port |
様似山道の冬島側登山口から国道を様似方面へ10分ほど歩くと冬島漁港の市街地に入り、漁港を見渡す国道沿いに「冬島」バス停留所がある(待合室とベンチを完備)。ここから路線バスに乗車して様似方面、あるいはえりも岬方面へ向かおう。 |
|
|
Address
Between Horoman and Fuyushima, Samani Town, Hokkaido, Japan
北海道様似郡様似町幌満〜冬島 |
|
Hiking Trails (Distance 7km / Duration 4 hours)
Horoman Bus Stop - Horoman Bridge - Samani Mountain Path - Former Harada
Inn - Fuyushima Bus Stop
様似山道フットパス (全長7km、所要約4時間)
幌満バス停留所・・幌満橋・・様似山道・・原田宿跡・・冬島バス停留所 |
|
Get in
From Samani Station by bus: Get on JR Bus for Cape Erimo (えりも岬) or Hiroo (広尾), get off the bus at Horoman (幌満)
様似駅前からジェイ・アール北海道バス「えりも岬」・「広尾」行きに乗車、「幌満」下車 |
|
Hours
Sunrise to Sunset, except in Winter & rainy day
日の出から日没まで (冬季・雨天時を除く) |
|
Price
Free!
通行無料 |
|
Website
Mt. Apoi Geo Park
アポイ岳ジオパーク |
4: Horoman Riverside to starting point |
河川敷から眺める日高山脈の風景が中々美しい。幌満川の増水時には河川敷のわずかな歩行路が水面下に沈んでしまうことがあるようだ。 |
6: River Trekking (steep!) |
階段を上がると、ごつごつとした大きな石や土砂、流木・倒木でかなり荒れた沢路を1kmほど登る。初めて様似山道を訪れると、まずは急勾配で荒れた沢登りの道に誰もが驚くに違いない。木々に赤い布の目印が数多く縛り付けられているので、それを目印にして歩こう。木々で見通しもあまりよくないので、熊が出てきても不思議ではない雰囲気を感じる。 |
8: This trail was used until 1950s |
様似山道は人工的に開削された山道であることがはっきりとわかる道で、歩き進んでいくと切り倒された木製の電柱や、電線に使われていた絶縁器具の碍子(がいし)が転がり落ちているのを見かけることだろう。碍子の製造年月日を見ると1958年10月と書かれたものもあり、様似山道が昭和30年代まで生活道路として利用されていたことがわかる。 |
10: Samurai walked throught this mountain path in Edo Period |
原田宿跡の先に位置する深い沢渡り。 |
12. Comfortable trail |
人工的に整備された山道であることがよく分かる。 |
14. Samani Mountain Path 2nd section from Kotoni Shokyusokusho to Fuyushima |
太平洋を眺めながら舗装された道をしばし歩くと、国道へと続く道路がある。ここから国道へ出ても良いが、太平洋の眺望が素晴らしいのはこの先の山道区間である。体力があれば冬島までの山道の続きを頑張って歩こう。 |
16: Along the mini river |
その先は小川に沿って歩くが、このような場所にも電柱の碍子が見受けられ、かつてこの道が確かに生活道路として利用されていたことがよくわかる。 |
18: Ending point of Samani Mountain Path (Fuyushima) |
様似山道の冬島側出入口。入山届けのボックスが立っているので、記入をお忘れなく。 |
|