西山火口散策路は洞爺湖町泉地区にある火口散策路。2000年(平成12年)3月の有珠山噴火によって新たに出現した火口群などをめぐる散策路で、噴石や地殻変動などで被災した道路や工場、家屋、破壊された国道や町道、火口跡や地熱帯などを見ることができる。 |
Free Volcano Museum (Former Nishi Iburi Fire Station)
洞爺湖町火山資料展示室 (旧西胆振消防組合本部) |
観光シーズンに館内を無料開放しており、床全体が傾いた資料室で噴火当時の写真パネルなどを展示している。散策前にまずはここを訪れよう。 |
Former Route 230 (New Nishiyama Marsh) |
火山資料展示室の正面右手に見える沼は2000年の有珠山噴火で形成された沼で、西山火口沼(または新西山沼)と呼ばれている。この場所は噴火前まで国道230号線のルート(カーブのある下り勾配)であったが噴火活動による地盤隆起で地面が最大70メートルも盛り上り、上り勾配となってしまった。 |
Way to Nishiyama Observatory
15 minutes on foot from free volcano museum |
西山遊歩道入口から西山展望台へ
西山遊歩道の入口は西山火口沼に向かって右手にあり、旧国道230号線と並行していた旧町道泉線を歩く。ここから西山第1展望台までは約1km、徒歩で片道15分の距離があり、かつては下り勾配だった道路が地殻変動で急勾配の登り坂となった道をしばし歩く。激しい地殻変動でありながら、途中までは道路や歩道などの舗装状態は意外ときれいなのが印象的で、ここがかつて本当に下り勾配の坂道だったのかと思うほどだ。 |
Nishiyama Observatory
西山展望台 |
西山には第1展望台と第2展望台があり、2000年の噴火で国道と町道を横切るように次々と形成された噴火口を見ることができる。第2展望台は噴火で75m隆起した2000年新山の頂上部で、人里のすぐそばに出現した噴火口の火山活動で破壊された菓子工場や住宅2棟、地熱地帯、畑の跡地などを見渡せる。2007年ごろまではもうもうと噴気を上げていた火口も、現在は非常にわずかな噴気を上げているだけで、非常に穏やかな印象だ。
西山火口散策路入口から西山展望台までは片道15分、往復30〜40分の道のりなので、ここで折り返しても良いし、ここから更に旧とうやこ幼稚園(片道15分)まで歩くのも良い。 |
Former Town Road |
かつての町道自体も激しい地殻変動で隆起しており、その様子を体感しながら歩くことができる。 |
Former Toyako Kindergarten to Toya Station (3km) |
旧とうやこ幼稚園から洞爺駅へ (約3km)
西山火口散策路の洞爺湖温泉側入口から旧とうやこ幼稚園までは徒歩で片道約40分、往復で約90分の道のりだ。かなり長距離の散策路なので見ごたえは十分あるといえるだろう。旧とうやこ幼稚園からは入江・高砂貝塚公園や洞爺湖町立虻田郷土資料館などを見学しながら、洞爺駅まで歩くことができる。(徒歩で約45分、約3km) |
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New Nishiyama Marsh, Free Volcano Museum & former crossing of Route
230 |
さらに地殻変動で沢が堰き止められて国道に雨水が溜まり、沼が出現した。現在も水没した国道交差点や道路標識、電柱、レンタカーなどが当時のままの状態で残されている。 |
Former Town Road |
道路は途中で途切れて歩道となり、道路上に出現した逆階段状のミニチュア地溝断層帯や、折れた電柱と道路標識が見える。かつての町道は植生変移で自然に還りつつあり、かつての道路の面影はほとんど見当たらない。 |
Former Confectionery Factory |
西山展望台から旧とうやこ幼稚園まで
西山展望台から先は下り勾配の道となる。地殻変動と噴火活動で破壊された菓子工場や住宅、町道泉線のアスファルト舗装、電柱、街灯、暗渠などを間近に眺めながらの散策だ。 |
From Town Road to Toyako Kindergarten |
隆起断層を過ぎると、かつての町道は急勾配の下り坂となる。道路には地割れなどができているが、道路標識や街路樹は噴火前と同じ姿。ただ、道路の勾配はバス路線だったとは思えないほどの急勾配で、これも噴火活動による隆起が影響している。 |
Former Toyako Kindergarten
旧とうやこ幼稚園 |
西山火口散策路の虻田市街側入口にあるのが旧とうやこ幼稚園。西山火口から約600mほど離れているが、2000年の噴火では噴石や火山灰がこの幼稚園や周囲の畑に降り注ぎ、園舎の屋根や壁は穴だらけとなった。現在も噴石が壁に突き刺さっている箇所が見受けられるが、人々の避難は噴火前に完了していたため、死傷者は一人もいなかった。年月の経過とともに園舎内にも草木が成長しはじめており、自然の力のたくましさを垣間見ることができる。 |
Get in
45 minutes on foot from Toya Station
洞爺駅から徒歩45分 |
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